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図書館イベントApocalypsis SINN【AS09】関連情報

◆企画イベント「収容所解放戦」

 ベルゼブブの腹心・ヴォロンが死に際に語った【腐土の軍勢】による【覚醒の地】構想。
 それが成就されると、ロシア国内におけるベルゼブブのパワーは、さらに強大になるという。
 何より問題なのは、その成就には『少なくとも5万人の生贄(ヴォロン談)』が必要という情報――そして聖戦機関の調査により、それが裏付けられる証拠が続々と集まってきていた。
「諸君らにはまず、腐土が【覚醒の儀】と呼ぶものについて簡単に説明する」
 いかめしい顔で語るのは、ロシア国内でのSINN活動を総括する、ヴィクトル・ズバーキン大司教だ。
「少なくとも数百名の『人柱』‥‥すなわち生贄を集め、ある程度の期間収容した上で、魔神級のディアボルスなどが儀式をおこなう事により、生贄は1本の柱へと変貌させられるようだ。この『赤黒い柱』を複数設置する事が、奴らのいう儀式の成就に繋がるのだろう。
 儀式の意味やプロセスに関する詳細はまだわかっていないが、間もなく儀式がおこなわれるであろう場所を、すでに四ヶ所ピックアップしている。
 今回はこれに、NATO軍の応援を取り付けた。収容者には外国人も多く、その解放には軍事行使も辞さない、という流れになったのだ。SINNの諸君は彼らと連携し、うまく作戦を運んでもらいたい。
 ただし‥‥今回向かうであろう収容所の、警備を担当する人間は、ほとんどが異端とは呼べぬ相手だ。ゆえに、パラディンであっても断罪は許されない‥‥たとえ軍隊が相手でもだ。  その代わり、といってはアレだが、NATO軍による攻撃は、黙認するのが賢明だろう‥‥彼らは同胞を救うため、殺害も辞さない構えだ、当然だが。これは欧州とロシアの軍事衝突になるのだ。しかし、それでも我々は‥‥SINNなのだ。滅ぼすべきは、悪魔と、吸血鬼と、異端だ。それを決して忘れるな!
 ‥‥では、各施設について説明する」

◆スモレンスク収容所
 場所:ロシア西部。ベラルーシに非常に近い
 施設:最新式の3階建近代収容所が複数
 収容人数:推定20000人
 警備状況:訓練されたロシア特殊部隊が指揮。かなり多くの軍隊が駐留
 確認された魔神:ゲリュオン
 NATOの支援:主力精鋭部隊が、国境を越え作戦に参加予定。解放後は陸路にて収容者を移送予定
 備考:正面からの攻略はNATO軍が担当し、大規模な軍事衝突になると予想される。SINNは背後から潜入するなどし、最優先目標は魔神殲滅とすること。正面のNATO軍を支援する事も可能だが、たとえパラディンであってもロシア軍の断罪は許されない。

◆ソチ収容所
 場所:ロシア南西部。黒海に面する
 施設:最新式の3階建近代収容所
 収容人数:推定5000人
 警備状況:訓練されたロシア特殊部隊が指揮。ほか、吸血鬼の出入りを確認
 確認された魔神:フルカス
 NATOの支援:特殊部隊数十名を派遣可。解放後は海路にて収容者を移送予定
 備考:地下に巨大な軍事施設があった痕跡があり、そこを収容所として利用していると思われる。元エンジェリングのキーラは、ここに収容されている可能性大。

◆P・カムチャツキー収容所
 場所:ロシア東部、中央とはかなり隔絶された地方都市の郊外
 施設:旧来型の平屋の収容所
 収容人数:推定1000人
 警備状況:一般警備兵は少ないが、かなりの数の魔獣を確認
 確認された魔神:デカラビア
 NATOの支援:戦闘部隊は送れない。制圧後、海路にて収容者を移送予定。
 備考:なし

◆ノリリスク収容所
 場所:ロシア北部。閉鎖都市・汚染都市ともいわれるノリリスクの郊外
 施設:旧来型の平屋の収容所
 収容人数:推定500人
 警備状況:やや手薄
 確認された魔神:ゲリュオン
 NATOの支援:戦闘部隊は送れない。制圧後は輸送機が来る手はずだが、場所柄予定通りの到着は困難。
 備考:場所は極寒の地であるため、解放後も輸送機到着までの間、収容者のケアが求められる。


■企画イベント「収容所解放作戦」

 このイベントは、純粋な戦闘が中心となる無料参加イベントです。
 PCは4カ所のうち一カ所を選択し、向かうことができます。この作戦の結果は、最後の全体イベントシナリオに影響を与えます。
 行動宣言では、100文字以内でプレイングを書けます。また装備や魔法vaは宣言時のものが反映されます。
 行動宣言は、締め切りまでに何度でも行なうことができますが、反映されるのは最新のものとなります。
 ここで受けた負傷や破損、使用した錬金素材はすべて、聖戦機関が責任をもって治療・補填します。
 参加者の行動は必ずしもリプレイ内で描写されるわけではありません。あらかじめご了承ください。
 判断の基準となるのは、装備、スキル、魔法va、プレイングです。

■作戦スケジュール

 行動宣言期間:02月23日22:00〜02月25日19:00
 結果公開:02月27日夜頃

■行動宣言はこちら



企画イベント「収容所解放戦」関連を記述するカテゴリー。

●スモレンスク収容所
 一度始まってしまった戦火は、抑える事はできず拡がり続け、双方燃え尽きてなお長く燻ぶる。
 その事を、サラディン・マイムーン(sj1666)はよく知っていた。しかし、彼はそこにいた。
 相棒のガディン・ベルリアン(sk6269)は、ウォルンを用い、殺さずにロシア兵を無力化させている――そう、こちらは収容所正面、NATOと共にいるSINNのチームなのだ。
「行け、無敵のテスラ軍団! 我が方は絶対に負けない!」
 ニア・ルーラ(sa1439)の掛け声で、パペット軍団が撹乱を図る。
「たしかに無敵だ‥‥!」
 竜造寺 こま(sj3153)も、大天使や鋼鉄巨人のパペットを操作しつつ、その言葉を噛み締めるのだ――魔的な身体。ロシア軍がいかな近代兵器で火線を注ごうとも、パペットは傷ひとつつかないのだ。
「こっちは陽動だ。本気になりすぎるなよ」
 ジェネレイド・キング(se9786)は仲間にそう伝え、戦局を見守りつつ自身もパペットを飛ばす。NATOはSINNの実力を知り、協力的だ。
「ありがたい事だが‥‥」
 だが――彼らに信頼されればされるほど、ジェネレイドらは背筋に嫌なものを感じないわけにはいかなかった。
 悪魔や異端との戦いでは味わえないもの。人間同士の戦いに加担する、その違和感。

 その頃、施設の背面。
「主力は正面に気を取られているが、完全な隠密潜入は無理じゃないか?」
 そう言ったのは、ハヤブサから隼男へと変貌したアーク・カイザー(sq0753)。エウレーラで動物になりすまし、上空から偵察してきたのだ。
「アークの言う通りだ。全員が全員、隠密のプロならともかく、な」
 ハーケン・カイザー(sc1052)のパペット偵察も、同じ所感。
「ローレムのCROSSならあるけど、全員分とはいかないしね」
 エティエンヌ・マティユ(sj6626)がぼやくと、マリク・マグノリア(sp3854)もやる気なさげにお手上げポーズをし。
「ハッキングを試みたんですが、警備システムの掌握は無理でしたね‥‥」
 状況は芳しくない、か――だが、それを打破する者が現れた!
「こうしたほうが早いでしょう‥‥」
 バゴォン。塀を物理的に打破したのは、ホイールドーザーで。
「‥‥私は、私の戦場でたたかいますけどね」
 ムチャしやがったのは、ユビキタス・トリニティス(sa1273)。
「おいおい、正面突破かよ。いや背面か? まあいい、こっちとしては熱いシチュエーションかもな。んじゃとりあえず片っ端から黙らせていくか」
 御剣 龍兵(sa8659)は真っ先に飛び込み、異変に気づいた警備兵にスタンアタックを打ち込む。
 新手だぞ、とロシア語が錯綜する。銃弾も錯綜し、SINNを襲う――が、酒匂 博信(sh4156)が前に立つ限り、そうそう当たりはしない。彼の盾が高速で揺らめくあいだは。ディフェンシオ。
「オッサンが頑張ってくれるなら、俺は無力化に走らせてもらうさ。カーテナなら断罪の心配は無いからねェ、思いっきり暴れるぜ!」
 ヴィルヘルム・レオンハルト(si9976)、人を殺せぬ聖剣で、心おきなく刃を振るう。
「まったくね。でも、ちょっと痛いわよ?」
 キャサリン・モローアッチ(sd2653)も得物はカーテナ。その怒涛の勢いに兵士らが押され始めたところを、ミリーナ・フェリーニ(sa0081)のスタン・ショットガンが追い討ちをかけ、増援に対してはミラベル・ロロット(si6100)のガンシップパペットがスタン突撃で牽制した。
「このまま突き進むよ!」
 ダメ押しはクリシュナ・アシュレイ(sa0267)。ウィースが、ウォルンが、精鋭兵の銃器をアッサリ取り上げ、スンナリ眠らせてしまう。じりじりと、だが着実に、SINNは危険地帯を突破した。

 施設に入り、魔神を目指す一行――いた。ナイ・ルーラ(sb0124)のディプレンドが、強いキニスを捉える。
「管理棟のほうですね。援護します」
 スィニエーク・マリートヴァ(sj4641)が追撃部隊を牽制するなか、SINNの主力は、ついに魔神と対峙する。
「邪魔をするか、SINNよ。いいのか、人間同士の醜い戦争に加担して?」
「何を言うか、その争いを引き起こしておきながら!」
 ダンテ・エイナウディ(sk2704)は本庄政宗[久遠真月]を抜き、その切っ先を突きつける。
「おかしな儀式もほっとけませんが、なにより皆を生贄になんてさせる訳にはいきませんー!」
 メイリア・フォーサイス(sa1823)も翼を広げ、掌をかざす。だが、ゲリュオンは3つの首でクックッと笑う。
「愚か者どもめ、何もわかっておらぬようだな‥‥ここ1つ潰したところで、ベルゼブブ様の狙いは止められぬ。それにだいたい、貴様らのやろうとしている事はすべて無駄バラバーッ!?」
 ちゅごーん、とすごい音がして、ゲリュオンが爆発四散した!
「長い」
 鷺沼 妙子(sp1602)の精密速射が、グラディウス+グラビィタのポイントショットMAが、指輪[神罰]がいかんなく発揮された結果である。慈悲はない。

 ――こうして儀式の鍵である魔神を駆逐し、内部も混乱させ、さらにNATOの勢いを加速させたSINN。収容者全員の解放に立ち会う時間はないが、それは無事に成功するだろう。
「そうと決まれば、長居は無用だよ」
 アルフォンス・ヴィヴィエ(sf9647)の誘導で、素早く撤収・脱出。あとは戻るのみ‥‥しかしクラリーチェ・ラグランジュ(se5708)は、ジェネレイドの顔に不思議な懸念を見出す。
「‥‥どうしましたの? 作戦は成功したというのに」
「ああ。成功して‥‥狙い通り、NATOがロシア軍を駆逐できるようにしてやったわけだ」
「‥‥ジェネレイド様でも、それがしっくりこないのですね‥‥」
「悪魔との戦争のように、いや、それにも増して、魂が萎縮する思いだ」
(王様だから、やっぱり権力者思考‥‥まぁ、いいんだけど)
 と、エルネスト・ブノワ(sz0035)は思ったが、そうは告げずに、メイリアの背を叩いて撤収を促した。

●ソチ収容所
 ジュラルディン・ブルフォード(sn9010)は見取り図を皆に配った。すでに柴神 壱子(sa5546)と共にハッキングを終えており、内部の警備状況や、警備システムの配置などは把握し切っているのだ。
「キーラって人もいるみたい。でも、一番奥のほうだから、気をつけて!」
 壱子がそう言う横では、烏ツ木 保介(sd0147)がNATOの特殊部隊にまで祝福や魔法を施していた。
「主よ、嵐にさらされる子羊たちにあなたの加護を」
「魔法か、いろいろと便利で強力らしいな。不思議な気分だ、近代装備に身を包んだ我々が、魔法なんてものの加護を実際に受けるというのは」
 部隊長が大真面目に語る。
「ハハッ、そうですよね。俺はいつの間にか慣れてましたが」
 保介が乾いた笑みを浮かべても、隊長は真面目な顔を崩さない。
「軍隊に魔法があっても、やる事は変わらないだろう。近代兵器でも魔力でも同じだ。与えられたリソースを最大限活用し、任務を達成に導く。その点に変わりはないからだ」
「たしかに、そうかもしれませんね」
 保介がつまらなそうに返すと、隊長はニヤリとして。
「もし私がオナラ世界一の男だったら、それで敵兵を爆殺するだろう。では、お互いの健闘を祈る」
 特殊部隊は行ってしまった――なんだありゃ、と呆ける保介に、イーゴリ・トルストイ(sq0700)は。
「たぶん、あれだよ。NATO流のジョークってやつじゃないか?」
「でも、なんとなく‥‥仲間として認めてくれた、みたいなかんじだな」
 ランディ・ヴェンツェル(sz0095)がそうつぶやくと、決まってるじゃないか、とイーゴリは肩をすくめた。

 いまだ敵潜入に気づかぬ警備兵たち――無理もない。NATO部隊は地下から精緻に潜入を試みているし、それにSINNは。
「うぐっ?」
 警備兵が倒れる。同時に出現するウサギ人間、シャムロック・クラナド(sp9296)。コロランテスで透明化していたのだ。
「チッ、素人が。そこで気絶させる必要はなかったろぉが?」
 近くで声がした。ルナール・シュヴァリエ(sp6369)のものだが、姿は見えない。
「そんな言い方はないんじゃない? 大丈夫よ、そのへんに隠しとけば」
 気絶した兵士の両腕が、マリオネットのように持ち上がり、滑稽な姿でずりずりと動き出した。アリス・フリュクレフ(sq1159)が透明なまま引きずっているようだ。
「ちょ、重い‥‥もー」
 アリスが愚痴ると、どこからともなく羊や雪ん子が現れて、うんしょうんしょと押すのを手伝い始めた。シャーロット・エルフィン(si6767)のパペットだ。
 あらあら、と微笑みつつ、シャムロックは今度はウサギに変身した。エウレーラ。こんな潜入で大丈夫か? とルナールは呆れたが、今のところ大丈夫だ問題ない。

「この先ですね、急ぎましょう」
 セイディ・ゲランフェル(sp8658)らは吸血鬼のいるとされる方面へ向かっていた。ハッキングや、内部での調査、NATOからの報告などにより、敵の狙いや布陣は見えているのだ。
 志島 陽平(sa0038)が扉を蹴り開ける。途端、皆の顔が歪む――重い、暑い、暗い――様々な『呪い』が、SINNを蝕み始めたのだ。
「ようこそ、我が広間へ。貢ぎ物はここへ運んできなさい」
 奥から冷たい声がした。見るからに貴族、オリジン。不気味に手招きするそいつに、ヒメコ・フェリーチェ(sq1409)は叫び返す。
「あげるものなんてないのです!」
「いやいや、物品がないなら労役でも構わんよ。エンジェリングの血が好みだが‥‥なんだ、ライカンスロープばかりではないか。言っておくが、この部屋ではラーは効かぬぞ」
「それはどうかな‥‥エスター?」
 イーゴリに言われるよりも早く、エスター・ゴア(sq0475)はそこへ向かっていた。
「あった」
 紫の花飾りとマーナガルムがあれば、血の媒体を見つけるのはたやすい。巧妙に隠されていた呪いのカップらを、エスターは取り上げる。
「あれっ? ちょ、そのカップは割っちゃダメ‥‥あーっ!」
 吸血鬼の制止もむなしく、ガチャンガチャーンと陶器は割れ、部屋に正常な空気が戻った。
「さて‥‥覚悟はいいかしらあん?」
 ニーチェ・シュートラー(sp6098)の掌に、ブゥンと熱源が生まれた。陽平の手にも、ヒメコの手にも‥‥続々と。ラーの輝きが、広間を満たす。
「あ、我輩急用を思い出したかも」
 ボンッ、とコウモリに変身し、どこかへ飛び去ろうとする吸血鬼――だがそれは、透明化していたルナールにがっしり掴まれた。
「おっと、貢ぎ物をお忘れだぜェ?」
「悪魔と吸血鬼と人間が共存出来るわけないのよ! くたばれえ!」
 アンナリーナ・バーリフェルト(sp9596)も背後に回っており、ラーを生み出した。たまらず変身を解いた吸血鬼の身を、その太陽が灼く。
「ぎゃあぁ‥‥ぎゃあああああ!」
 続々と貢ぎ物がぶつけられ、吸血鬼は完全に焼却されるのだった。

「急げ、SINNが来るぞ‥‥くそ、間に合わぬか」
 フルカスは擬態を解き、騎乗した老騎士の姿となる。地下の大扉が開け放たれる。そこへ注がれるロシア特殊部隊の火線――は思ったより少ない。別経路で侵入したNATO部隊に人員を取られているからだ。
 いずれにせよ、オルフェオ・エゼキエーレ(si1323)がいる限り、銃は効かない。ディフェンシオが守るなか、リディヤ・ジュラフスカヤ(sd9570)はメタスタシスで部隊側に転移、ヴォーロで加速するや、狼牙 隼人(sa8584)と共に速攻で兵士を無力化していく。
 フルカスが穢れた嵐をその手から撒き散らす。が、九面 あずみ(sn7507)は魔法の盾でそれを受け流し、カーテナを突きつける。
「ここまでだ! もはやお前に勝ち目はない!」
「だとしても、やる事は同じ」
 高速で馬が突っ込んできた。うおお、とゴスタ・ユオン(sp9246)が前に立ち、衝撃で吹き飛ばされながらもその歩みを遅らせると。
「一気にツブすぜ!」
 ジョニー・ジョーンズ(sa2517)のジュワユースが、エルプティの魔力と共に叩きこまれると、それだけでフルカスはよろめいた。
「くう、この力‥‥SINNめ、強くなったな」
「あの世で感心してください! トドメッ!」
 種子島 カグヤ(sh3932)は魔神の頭上に転移し、大典太[竜殺し]を振り下ろした。斬魔刃――祓魔が発揮され、フルカスは霧散化する事もかなわず、消滅していく。
「さらばだ‥‥魔界で待ってるぞ!」
 フルカスの捨て台詞――その意味に時間差で気づき、あずみはぞくっとした。魔界化なんて、させるものか。正しいんだ、この任務は、正しいはず――

「見つけました。彼女ですね」
 シュナイト・ヴァール(sp7330)は、独房にいたキーラを発見した。
「キーラ! ‥‥チッ、やっぱりか」
 隼人は駆け寄ろうとしたが、相変わらず彼女は怯え、部屋の隅で震えていた。
「キーラさん‥‥どうしましょうか‥‥ん、羊?」
 オルフェオは、てくてくと入ってきた羊パペットを見やる。それはそっとキーラに抱かれると――そのまま彼女を眠らせてしまった。
「‥‥運びましょう」
 オルフェオはそれを抱き上げ、インテーゲルにて素早く外へと連れ出す。

「みんな無事だったねー」
 ハルキュオネ・バジレア(sh3934)が祈った通り、双方に死者は出なかった。
「では、その少女はお任せする。他の収容者は我々に任せてくれ」
 NATOの隊長は毅然とした敬礼を見せると、素早くきびすを返し、その際、尻をおおげさにフリフリして去っていった。
「NATOのジョークは‥‥わかりませんね」
 シュナイトが唖然としていると、リディヤは。
「突出した者には、普通じゃない人が多い。SINNも一緒」
「‥‥俺を見ながら言うなよ」
 隼人はそう言いつつも、尻をフリフリしてみせた。

●P・カムチャツキー収容所
 SINNのキニスを嗅ぎつけたディアボルスどもは、すぐに向かってきた――マンティコア、グリマルキン、etc、etc。
「まっしぐら、ってかんじですねえ」
 ヨシア・アジール(sc3352)のベネディクタを受けると、村正 刀(sf6896)はゲミニーで分身、浮き上がる。
「二人一組の不死身の“二刀流”暴れてやるぜ!」
 イグニスが炸裂。派手に開戦。
「こういう時はテラで露払いだぜ! 雑魚の始末は任せな!」
 カミーユ・ランベール(sf0920)も魔法をぶち込み、敵戦力を殺ぐ。ラティエラ・テンタシオン(sb6570)もシムルのシャムと連携し、空中からの敵を惹きつける。
 が、サンダバードが地上へ向け雷撃を吐き出した――SINNの集団は、しかし!
「守護神がガッチリセーブ、ってな」
 アントーニオ・インザーギ(sa5938)は聖盾アイギスにより、無傷。他のSINNも、アーシア 凛(sz0079)のローレム結界がありほぼ無傷!
「下りてこい、鳥!」
 アーサー・ラヴレス(sa4830)がグングニルを投げつけ、サンダーバードを貫く。落ちてきたそいつに、御剣 四葉(si5949)がむむっとメギドを浴びせ浄化。
「こっちだー‥‥こーいっ!」
 五老海 ディアナ(sq3106)はあえて、カラパスの硬さを信じて前に出る。そして群がってきた地上の魔獣へ冷たい息を吐きかけた。
「魔法で弱っているようだ。じっくり行こう!」
 カーク・ルッフォ(sc5283)はM4の点射で、確実に魔獣を滅ぼしていく。数に劣るSINNだったが、その形勢はすぐに逆転した。

 魔獣さえ片付けてしまえば、警備は問題にならない。あっさりと無力化された警備員たちは、当然拘束されるのだが。
「彼らも生贄として着任させられていた可能性があります。その点も考慮すべきかもしれません」
 ダニエル・ダントン(sa2712)の意見に、SINNがざわめいた。
「そんなのって‥‥まさか、でも‥‥」
 コワルスキー 奏(sz0052)は絶句しかけたが、ギィ・ラグランジュ(sf9609)はそうではない。
「要するに、ボスをぶっ潰しゃ一緒だろ?」

 あれだ、とアビス・フォルイン(sa0959)は指差した。星型の魔神、デカラビア。
「なんとも面妖な魔神でござるな」
 詩馬 光之助(si7745)の発言に、気をつけて、とアビスは告げる。
「悪魔魔法によっては大変な事になるかもしれない。油断は禁物だ」
「わかりました。彼らを帰してやりましょう‥‥必ず!」
 レイジ・イカルガ(sh2614)がカーテナを構え、
「ラグランジュの名にかけ――」
 ギィがそれを言い終わる前に、デカラビアは、ぎょわあ、と霧散化していた。
「‥‥油断しないで挑んだら瞬殺だったでござるな」
 メタスタシス、ヴォーロ、聖品服[剣客]、童子切[断魔時逆]、斬魔刃――光之助は奇襲からの一呼吸で、魔神を斬り伏せてしまったようだ。おっと浄化浄化、とレイジはしっかりエムンドした。

 すぐに助けがきますからね、と須経 蘭華(sb0118)は収容者を励ます。こちらも混乱はなさそうだ。
 緊張の空気が弛緩してくるや、アメリア・ロックハート(sh1732)はぶるりと身を震わせ、そっとカミーユに寄り添う。
「ここは‥‥寒いですね」
「ああ‥‥だけど、もっともっと寒い場所に向かった仲間もいる」
 カミーユは寒空を見上げた。この空の向こうにも、誰かが囚われており、SINNが助けに向かっている――同じ国のはずなのに、とってもとっても遠い、そこへ。

●ノリリスク収容所
「!?」
 アンリ・ラファイエット(sp6723)の、今は透明な体毛が総毛だった――目の前の壁から剣が生え、それが鼻先をかすめたのだから無理もない。
「精気感知か。まさかあっちから、壁まで破って出てくるとはな」
 ビート・バイン(sf5101)はいつも以上に凝ったポーズを決めた――俺より目立ちやがって!
「だが好都合だね。一秒でも早く彼らを助けなければ」
 シグルフリート・ウォールター(sp9359)はアルゲントを成就させ、魔神ゲリュオンと向き合う。
「一般警備兵はぷてら軍団が引き受けるわ。ちゃっちゃとやっちゃって!」
 レティシア・モローアッチ(sa0070)がパペットで援護し、
「いまだ!」
 ヤズゥン・ディガ(sa2434)がウィースで魔神の剣を押さえ込めば、
「うおおお!」
「おいっすー!」
 竜造寺 巌(si7760)が、碇矢 未来(sp5129)が、熱い力を注ぎに走る。交錯するSINNと魔神。だがもはや、今のSINNにとり、かの魔神はさほど脅威ではなかった――

 解放後。
「‥‥どんな様子だい?」
 ロシータ・ビディエーリャ(sz0089)に聞かれ、カウンセリングをしていたイーノク・ボールドウィン(sd3868)は、にっこり微笑む。
「大丈夫です、収容者に怪我はありませんし、混乱もそれほどではありません」
「ええ、そちらは万全ですね」
 荒井 流歌(sp5604)はそう言いながら、春崎 ライア(sz0088)の歌とハープに耳を傾ける。玖月 絢紅(sh4500)も、歌っちゃおうかな、と玖月 水織(sh0007)の様子を窺う。姉の用意したアルケミーも、使うほどではなかったようだったし‥‥
「問題は、寒さだね‥‥悪魔が、壊しちゃったし‥‥」
 三輪山 珠里(sb3536)の言う通り。粗末な施設、さらに穴を開けられてしまったので、屋内はかなり冷え込みそうだった。それを見越して彼女は毛布や携帯カイロを準備していたので、配って回る。ヴェルンハルト・ラヴィーネ(sp3868)もまた、たっぷり用意していた防寒具を配布する。
「広間に暖炉っぽいものを用意したんで、廃材を燃やして一晩耐えてもらいましょう」
 未来はそれに着火する。
「あとはこれでも飲んで温まってくれや! こいつぁ効くぞ!」
 巌は調味料[超インダス]の入った激辛スープについて説明した。あとは、身を寄せ合うのみ――

 深夜。人々の顔に不安がないわけではなかったが、解放された喜びが勝り、明るい空気のまま夜は更けていった。
 やがて董 春華(sz0075)が吉報をもたらした。最新の通信によると、夜明けには吹雪も収まり、輸送機が到着する見込みだという。収容者が一斉に歓声をあげる。
「なんだかお祭りみたいになったじゃあないか」
 アンリは隅でニヤッとした――なお、そのかたわらには幼い少年が温かそうなマフラーを巻いて寝息を立てていたが、それがアンリの尻尾だというのは、皆にはナイショである。


◆戦果


・スモレンスク収容所 成功
・ソチ収容所 成功
・P・カムチャツキー収容所 成功
・ノリリスク収容所 成功

総合評価 大成功!

 この結果により、【覚醒の儀】はほとんど意味を為さない状態とされ、今後もその野望を潰えさせる道筋ができました。
最終更新:15/02/27 22:51:39
更新者:ルリエラ・フォーロウ(sz0090
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